ST 国試解説 第26回 第1問~第5問

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正答:4

解説:
三次予防について知っているかどうかの問題です。
「疾病発症後において障害、特に活動制限や参加制約が発生し、QOL低下を招かないようにするのが三次予防」(言語聴覚士テキスト, 2025, p.7)のため、予防や検査の選択肢を省くと残るのは4番になります。

ポイント:
一次・二次・三次予防の段階理由
「健康増進」:病気にならないように口腔ケアや運動・筋力トレーニング・生活支援を行う(一次予防)
「早期発見・早期治療:病気になるかもしれないから定期的な検査で早めに見つけて治療を行う(二次予防)」
「後遺症・再発の防止/生活機能の維持」:もし病気になったとしても、その影響で体を動かさないで嚥下障害になる、などの二次障害に繋がらないようにリハビリを行う(三次予防)

正答:3

解説:脳神経核の位置についてはSTテキスト第4版に記載が見当たりません。STテキスト第2版には「第 V脳神経~第Ⅷ脳神経は橋から」(言語聴覚士テキスト, 2011, p.99)と記載があります。選択肢の中では外転神経(第Ⅵ脳神経)、顔面神経(第Ⅶ神経)が該当するため、bとcが答えとなります。

ポイント:
語呂合わせ「ゴーヤ(5~8)が橋の角(かく)を渡る」

正答:1

解説:「頚神経(8),胸神経(12),腰神経(5),仙骨神経(5),尾骨神経(1)の計31対からなる」(言語聴覚士テキスト, 2025, p.7)と記載があります。よって、誤りは1の頚神経となります。

ポイント:
・椎骨と神経対の数が同じ:胸、腰、仙骨
・椎骨と新頚対の数が違う:尾(尾椎:3~6個、尾骨神経:1椎)、頚(頚椎:7椎、頚神経:8椎
・頚神経C1だけ後頭骨と頚椎の間から出ているため椎骨より1個多い

正答:5

解説:赤筋は遅筋、白筋は速筋の別名です。「骨格筋繊維には遅筋線維と速筋線維があり・・・(以下略)」(言語聴覚士テキスト, 2025, p.14)
このページの記載では1,2,4は除外できますが、3と5を絞りきれません。グリコーゲンは速筋に多く含まれているため、正答は5となります。

ポイント
赤身魚と白身魚でイメージすると分かりやすい

マグロ:「赤身魚」→「赤筋」→「常に動いている=持久力重視」→「速さは後回しにしているため遅い=遅筋」

ヒラメ:「白身魚」→「白筋」→「砂に隠れてジッとしているが何かあると一気に逃げる=瞬発力重視」→「速さが重要=速筋」→「一瞬の速さが重要なのですぐ疲れる」→「一瞬の速さを出すために運動のエネルギーの元になるグリコーゲンを蓄えている」

正答:2

解説:「気管支喘息は、気道の慢性炎症性疾患であり・・・(中略)・・・可逆性の気道狭窄を伴っている」(言語聴覚士テキスト, 2025, p.51)
この文章からは選択肢の1以外は除外ができませんが、気道狭窄=気道(内腔)が狭くなっていることとイメージできれば内腔拡張は誤りと判断できます。

ポイント:
・気管支喘息の特徴:気管狭窄喘鳴音(ヒューヒューゼーゼー)易刺激性
・喘鳴音の理由:気管狭窄のため
・気管狭窄の理由:炎症による粘膜の浮腫、気管支の平滑筋が刺激によって収縮
・易刺激性の理由:アレルギー物質や刺激物質に反応しやすいため

ミニクイズ

三次予防の主目的はどれか
A,健康増進 B,早期発見 C,後遺症防止

C
3次予防は病気になったとしても二次障害・後遺症を防ぐためにリハビリを行う

橋に核をもつ脳神経の組合せで正しいのは?
A,Ⅲ+Ⅳ B,Ⅵ+Ⅶ C,Ⅸ+Ⅻ

B
橋に脳神経核を持つ脳神経は第Ⅴ脳神経~第Ⅷ脳神経

脊髄神経の総数は?
A,29対 B,31対 C,33対

B
頚神経(8),胸神経(12),腰神経(5),仙骨神経(5),尾骨神経(1)の計31対

赤筋線維の特徴として誤っているのは?
A,収縮が遅い B,グリコーゲンが多い C,抗重力筋に多い

B
グリコーゲンは白筋=速筋に多い

喘息気道でみられない変化は?
A,粘膜浮腫 B,上皮剥離 C,内腔拡張

C
内腔拡張ではなく狭窄

参考文献

大森 孝一・永井 知代子・深浦 順一・渡邉 修 (編). (2025). 『言語聴覚士テキスト』(第4版). 医歯薬出版.
岩田 誠・小川 郁・廣瀬 肇 (編). (2011). 『言語聴覚士テキスト』(第2版). 医歯薬出版.

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※本記事において、生成AI(ChatGPT、DALL-E等)を構成案・文章草案・画像作成補助として活用しています。最終的な公開内容はSTみちが責任をもって監修・修正を行っております。また、本記事での国家試験の過去問題に関する引用は、必要最小限の範囲にとどめた上で出典を明示し、取り扱っています。問題文全文の転載は行わず、自作の解説・分析を中心とした内容構成としています。